何故靴には未だに「靴ヒモ」が存在しているのか

2015年、我々の世界は数年前と比べるとあらゆるものが遥かに進歩しており、その差は比べ物にならない程になっています。
しかし、あらゆるものが発展してもまだ改善されていないものが存在しています。
それは「靴紐」。
靴の存在は大昔より存在していますが、にも関わらず靴のほとんどには未だに靴ヒモが備え付けられており、それに置き換わるものは今も登場していません。
Why Are Shoelaces Still a Thing?
http://motherboard.vice.com/read/why-are-shoelaces-still-a-thing

靴ヒモは未だメジャーな存在
世界最大級のスポーツメーカーであるNikeは現在、バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2に登場する自動で調整する靴「Nike Mag」を開発しており、今年中の発売を目指しています。
しかしその靴は機械式であるため、自分で靴を調整するタイプでは靴ヒモがまだメジャーです。
Super-fast tying ten pairs of shoes - Professor Shoelace
https://www.youtube.com/watch?v=w9o-P7U4Vck
「本当に靴ヒモに置き換わるものは何も登場していない。」
革命的な靴ヒモ結び「イアン・ノット法(Ian Knot)」を開発した自称靴ヒモ博士(Dr. Shoelace)Ian Fieggen氏はそう述べ、また彼は「私は賢い方法を用いた靴を調整する方法を数多く見てきたが、それでも彼らは靴ヒモの替わりになってはいない。」とも話しています。
Fieggen氏は靴を調整する他の方法としてZUBITSと、Lace Techを指摘しました。
これらは非常に簡単に靴を調整可能ですが、ベースは靴ヒモであるために完全な置き換わりとは言えません。
あらゆる種類の調整方法でも靴ヒモには敵わない

photo by Alan Klim
ニューヨーク州立ファッション工科大学でアクセサリーデザインの教授、Ellen Goldstein氏は「靴ヒモは本当に昔ながらの存在です。」と話しており、彼女によるとその歴史は1700年代にまで遡るとのこと。
また、靴ヒモ以外にも靴の調整にはマジックテープ、ジッパー、スナップ、フックなどが使われていますが、彼女は「靴には衣類で用いられていた方法全てが使われていました。」とも述べます。
そしてGoldstein氏は「ジッパーやマジックテープは靴ヒモの普及には敵わない。」とも言います。
理由として、これらは靴と一体型になっているタイプであるため、汚れたり何らかの出来事で破損した場合は修理あるいは買い直す必要があります。
しかし、靴ヒモの場合はヒモを丸ごと新品に取り替えることが出来るため、マジックテープやジッパーよりも簡単に取り替えることが出来る靴ヒモに軍配が上がります。
靴ヒモはファッション性だけでない

photo by Dustin Gaffke
更にGoldstein氏によると、靴ヒモは外観を変更出来るファッション要素の一つだけでなく、スポーツを行う際のケガ予防にもなるとも話しています。
Sports Science誌に掲載された研究によると、弾性ファスナーと靴ヒモを用いてランナーのケガ率を比較すると、靴ヒモの方がケガ率が少なかったことが明らかになっています。
靴ヒモは大昔から存在しているにも関わらず未だにそれに替わる存在が出てこないのは、靴ヒモが他を凌駕する様々な利点を持っているためであり、この利点を超えることが無い限り靴ヒモは常にトップに立ち続けるのです。
eyecatch by ozz13x
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