• 迷子になって25年、行方不明だった息子が「Google Earth」を用いて母親を発見する

    

    迷子になって25年、行方不明だった息子が「Google Earth」を用いて母親を発見する

    インターネットでは不可欠とも言えるGoogleの検索エンジンですが、Googleは他にも無人自動車や小型のメディアストリーミング端末であるGoogleChromecast等も開発しています。

    更に無人飛行機を用いて配達サービスを行う計画もあり、インターネットだけでなく現実世界でも便利なツールを開発しています。

    無料で配布しているバーチャル地球儀ソフトの「Google Earth」も便利なツールの一つで、世界中のあらゆる場所を衛星写真としてすぐに見ることが出来ます。

    これを使えば、現在自分が住んでいる場所も見ることが出来ますし、過去に住んでいた場所が今どうなっているかも知ることが可能です(リアルタイム写真ではありません)。

    無料で世界中の情報を得ることが出来るこのツールは、非常に優秀かつ便利で、多くの人々に愛用されています。

    そんなGoogle Earthですが、インドにて25年間も母親とはぐれていた男性が、Google Earthを使って情報を収集、そして母親を見つけ出して見事再開することが出来たと話題になっています。



    Little boy lost finds his mother using Google Earth
    http://www.bbc.com/news/magazine-17693816
    2014-10-14-4

    1986年、当時5歳の少年Saroo Brierley氏はインドにて電車の掃除人として働いており、彼の兄と一緒に電車の旅をしていました。

    ある日の晩、仕事を終えて電車を降りた後、Saroo氏は疲労を感じて駅の備え付けのシートでそのまま寝てしまいます。そして翌日、目を覚ましたSaroo氏は兄の姿が見えないことに気が付きます。

    ちょうど目の前には電車が到着していることもあり、Saroo氏は兄はこの電車の中にいると思い込んで乗車します。しかし、その電車に兄はおらず、駅で眠ったこともあって疲労が残っていたのか、Saroo氏は電車内で眠りこけてしまいました。

    それから14時間経って彼が目を覚ました時、衝撃を受けます。彼はインドで3番目大きい都市でスラム街で有名なカルカッタに到着していたのです。


    2014-10-14-7
    photo by Ryan


    Saroo氏は仕方なくカルカッタで降り、人々にここがどこであるのかなどを聞いて回りました。しかし帰る方法は分からず、それからすぐに彼は野宿することになります。

    Saroo氏は当時を振り返り、「そこは非常に怖い場所でした。どんな母親も父親もカルカッタのスラム街と駅を一人で歩き回る息子がいるとは思いません。」と話します。

    それ以降、彼は乞食となり、市内の路上で物乞いをする多くの子供の一つとなって自活の方法を学びます。

    しかし、Saroo氏はかなり慎重に人を選んでおり、特に「食料や避難所と家に帰る道を約束する男」が近づいた時は不審に思っていました。時には「彼が私に素敵ではない何かをするつもりだった。」と感じて、逃げることもあったようです。

    それからしばらくして、彼は孤児院に拾われ、オーストラリアのタスマニア州に住む夫婦らに養子として迎え入れられることになります。

    「私は家に帰る方法が分からなかったので、養子に入ることを受け入れました。今となって、オーストラリアへ行ったことは私にとって良かったことだと思います。」彼はそう話し、この決断は後に良い方向ヘと向かうことになります。

    迎え入れられた新しい家は、彼にとって居心地の良い場所でした。しかし時間が経つと共に、彼はますます血縁を持った家族を見つける望みが強くなっていきます。

    ただ、いくら彼が家族を探したいと思っても、彼は当時5歳で無学だったため、彼の当時住んでいた町の名前を全く知りませんでした。知っていることは全て、彼の記憶に鮮明に残った思い出の数々のみでした。

    そこで彼は、生まれてきた場所を探すために、Google Earthの使用を開始したのです。


    彼の家を見つけるのを助けたGoogleEarthの画像。
    2014-10-15-1
    photo by bbc


    Saroo氏はGoogleEarthで得た情報を元に戦略を立てます。彼はインドの電車のスピードに、あの時過ごした14時間を掛けて、約1200キロという大まかな距離を計算しました。

    そしてその距離とカルカッタを中心にして地図上に円を描きました。すると、信じられない事に彼が捜しているものをすぐに発見します。

    それは、Khandwaと呼ばれるインド市内にある町でした。

    すぐに彼は、ネットで発見した町へ行く段取りを立てて出発します。出発後しばらくすると、彼が子供の頃に思い出として残っていた、町へ続く道を見つけ出します。そしてついに、彼はKhandwa付近にあるGanesh Talaiで自分の家を発見するのです。

    ですが、それは彼が望んでいたものではありませんでした。その家はとても古ぼけており、長い間誰もそこに住んでいなかったかのようにボロボロでした。

    しかし、Saroo氏は彼自身が子供の頃の写真を持っており、更に彼の家族の名前を覚えていたので、隣人に話を聞くことが出来ました。けれども、隣人によると彼の家族は引っ越ししており、既にここには住んでいないとのことでした。

    引っ越し場所は分からず、Saroo氏は手詰まりとなってしまいますが、そこに突如、別の人間が現れ「私があなたのお母さんの所へ連れて行きましょう。」と言い出しました。

    Saroo氏はその人物に付いていった結果、ついに母親と25年ぶりに再開することが出来たのです。

    「私が最後に母を見たのは、彼女が34歳の時で当時は可愛らしい女性でした、しかし、私は年齢が彼女に変化をもたらすことを忘れていました。」

    Saroo氏は母親と再開しましたが、25年も会っていないこともあり、彼は最初、彼女が母であるとは分かりませんでした。 しかし、顔には当時の面影がまだそこにあり、彼は彼女を母親であることに気付きます。

    「彼女は私の手をつかんで、彼女の家に連れて行ってくれました。でも彼女は私に何も言うことができなかった。彼女は私と同じように無感覚だったと思います。彼女は25年前に消えた息子が、今となって幽霊として現れたのかと思っていました。」

    母親は彼が死んでいるのではないかと長い間心配していましたが、とある占い師が彼女に「再び息子会える日が来る」と話していたと言います。

    おそらくこの占い師の言葉が、母親の生きるエネルギーとその日が来るのを待つ希望として力を与えていたのかもしれません。

    1981:Saroo Brierley氏の誕生。
    1986:家族とはぐれて乞食生活、そしてカルカッタの路上生活が終わる。
    1987:彼はオーストラリア人夫婦によって拾われ、タスマニアで育つ。
    2011:彼はGoogle Earthで故郷を見つける。
    2012:彼はKhandwaで彼の母親と再会。


    なお、Saroo氏は母親に彼の兄について聞いていますが、返って来た言葉は良いニュースではありませんでした。彼の兄は、あのはぐれた日から一ヶ月後、線路上で遺体として発見されていたと告げられました。兄は何らかの行動で滑って電車の下に落ちたのか、母親ですら真相は知りません。

    けれども、何年も家族に会うことを願っていたSaroo氏の夢は叶ったこともあり、彼は大きく喜んでいます。今も彼は新しく見つかった家族と連絡をとり続けています。

    「やっと肩の荷が下りました。今では悩むことは無く、ぐっすりと眠ることが出来ます。」

    ちなみに、彼のこの信じられない奇跡の体験に、出版社と映画製作者が興味を持っているとのことで、将来映画化される可能性があります。

    eyecatch by Pam Lau

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