• スコットランドの研究者達が「初めて光の速度を低下」させる

    

    スコットランドの研究者達が「初めて光の速度を低下」させる

    一般的に空気中を伝播する光の速度は一定です。

    水の中では屈折することから多少減速しますが、通常では1秒当たり186282マイル(約30万km)の速度で光は移動しており、この速度は絶対的で変更することは不可能だと考えられてきました。

    しかし、今回スコットランドの研究者達は不可能だと言われた光の速度を初めて減速させることが出来たとの報告をしています。



    Scientists slow the speed of light
    http://www.bbc.com/news/uk-scotland-glasgow-west-30944584

    Scottish scientists have slowed the speed of light
    http://www.wired.co.uk/news/archive/2015-01/23/speed-of-light-slowed

    Scientists slow down the speed of light travelling through air
    http://www.gla.ac.uk/news/headline_388852_en.html

    Spatially structured photons that travel in free space slower than the speed of light
    http://www.sciencemag.org/content/early/2015/01/21/science.aaa3035.abstract
    2015-01-26-1

    特殊なマスクを経由することで光の速度が減速


    スコットランド、グラスゴー(Glasgow)大学のMiles Padgett博士率いる光学研究グループ及び、理論物理学者のStephen Barnett博士とヘリオット·ワット大学のDaniele Faccio博士は、特別に構成された競馬場のような形をした距離1mの道に向けて通常の光と特殊なマスクを介した光を使い、レースを行いました。

    実験の開始後、光子がフィニッシュラインに到達したことを確認した後に詳しく測定してみると、何も介していない光子よりもマスクによって再形成された光はゆっくり移動していたことを発見。

    マスクを介した光子は光速以下となっており、それはマスクを介していないものと比べて最大20ほどの波長遅延となっていたことが判明しました。


    ガラスや水とは異なる減速効果


    つまり、この特殊なマスクを介して光を通過した場合、光子は空間をよりゆっくりと移動するということを示しています。

    これはガラスや水などの媒体を介して光を通過させる減速効果とは大きく異なっており、これら媒体から抜けだした後は本来の光の速度に戻りますが、マスクを介して光を通過させた場合は光の最高速度自体を遅延させることになっています。

    なお、これはガウシアンビーム及びベッセルビームでも遅延の確認がとれているとのことです。


    今後の研究により日常生活にも活躍する可能性


    2015-01-26-3
    photo by James Jordan

    「我々が確認した光の遅延は1メートルの伝播距離のうち、数マイクロメートル程度の遅延でしたが、小さくてもそれは重要です。」

    論文の共著者の一人Daniel Giovannini氏はそう述べ、もう一人の共著者であるJacquiline Romero氏は「ビームを作成するために使用されたレンズが大きい時及びライトの焦点が合わせられる距離が小さい時は、短い範囲で効果があてはまるのだけを意味しているので、遅延の効果が最も大きい。」と話しています。

    そしてMiles Padgett博士はこの研究に対し「研究結果は私たちに光の特性を考えるための新しい方法を提供しており、今後も我々はさらなる発見の可能性を模索し続けることを考えています。また、今回の結果がどのような波の理論でも適用可能であると予想しています。例えば、音波においても同様の遅延を作成することが出来ました。」と述べていました。

    更に博士は「この研究結果がより前進すると、物理学以外にも日常生活でも応用することが出来る。」とも話しており、今回の研究結果は大きな可能性を持っているようです。

    eyecatch by Martin Fisch

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