• 「プレッシャーの影響で息苦しくなる」のを回避する方法を心理学者が提言

    

    「プレッシャーの影響で息苦しくなる」のを回避する方法を心理学者が提言

    重要な試験やスポーツ大会、演劇やプレゼンテーションなど、我々はこれまでに数々の困難を経験してきました。

    そのどれもが、我々にかなりのプレッシャーを発生させ、その影響で思わず息苦しくなってしまいます。

    そして、息苦しくなると呼吸を多くしようとして呼吸の速度が早まり、余計に悪化してしまう場合もあります。海外ではプレッシャーによって息苦しくなる状況を「Choking(チョーキング)」と呼んでいますが、最近までこの現象について、科学的考察は行われていませんでした。

    何故プレッシャーで息苦しくなるのか、そしてどのようにしてその現象を抑えることが出来るのか、研究者はこの現象について、過去10年間を通して研究しています。



    The science of choking under pressure — and how to avoid it
    http://www.vox.com/2014/11/14/7209383/choke-pressure-psychology
    2014-11-16-1

    プレッシャーによる失敗を研究してきたシカゴ大学の心理学者Sian Beilock氏は、この現象は心理学と神経科学に関して、多くの問いが含まれていると考えています。

    研究ではプレッシャー下でChokingを起こす可能性が高い人は、共通事項があることが示されており、一つは、損失回避です。

    これは、あなたが本当に褒美を失いたくないときに来る損失嫌悪です。賞品が大きい場合や、高損失に嫌悪を持つ人々は、一般的に低損失嫌悪を持つ人々よりもChokingを起こす可能性が高くなります。

    例えば損失を嫌う人々は、ギャンブルで勝率が低い大穴を狙うよりも、勝率が高いとされる場面を狙います。

    また、賢い人々はプレッシャー下に置かれる状況が多いことも判明しています。

    具体的には、より大きなワーキングメモリを持っている人々は、プレッシャー下の状況で数学の問題を行う際、Chokingの状態が起こりやすいことを発見しました。

    ワーキングメモリは通常、問題を解決するために作業の記憶を蓄えておく場所として機能しています。しかし、プレッシャーによってワーキングメモリが心配で詰まってしまい、その結果Chokingが発生してしまうのです。

    常にベストな状況で戦えるようにするためにも、プレッシャーを回避する戦略を立てておく必要があります。

    そして心理学者は、Chokingを回避するための戦略を発見しました。


    プレッシャー下に慣れる


    Beilock氏は、ストレスの多い条件の下で練習すると、Choking発生の可能性を最小限に抑えることができることを示しています。

    例えばある研究では、大学生数名がゴルフを学ぶ際、一部学生は普通に練習しているのですが、他の学生はビデオテープで録画するなど、高いプレッシャーの条件で練習していました。

    そしてその後、賞金を得ることが出来る状況下でテストを行います。

    その結果、高プレッシャーで練習した人々は、プレッシャーが低い状態で訓練を行っていた人々よりも良い結果を残していました。


    考え過ぎないようにする


    一般的にスポーツ競技などを行う多くの人々は、やっていることをつい難しく考えてしまいがちです。

    Beilock氏は手元に集中することを奨励しており、実際に経験豊富なゴルファーは状況が悪化しないことが示されています。

    ゴルフボールの小さなくぼみに焦点を当てることや、あるいは歌を歌い、自己の気晴らしを行うことでプレッシャーによる影響が薄くなると、Beilock氏は示唆しています。


    躊躇しない


    Beilock氏によると、比較的早く行動に移すことは良い結果を招くということを実証しています。

    ある研究では、ゴルフ初心者に対してすぐに実行に移すよう指示を行ったところ、経験豊富なゴルファーよりも良い結果になったことが判明しています。

    そのため、あなたが何かをやっている場合は、Chokingによる影響を受けないためにも、すぐに行動に移ることをお勧めしています。


    行動する前に感情を表す


    Beilock氏の研究グループによると、試験前に自分の気持ちについて書くことは、自身を助けることが出来ることを示しています。

    2011年にScienceに公表された研究では、調査のために大学生に非常に難しい数学試験を受けさせています。

    彼らのプレッシャーを高めるために、研究者は現金に加えて彼らの試験中の様子をビデオ撮影し、そのテープは教師や友人に見せられることを彼らに話しますが、もし、その効果が十分でなかった場合、研究者達は「他の人もこのテストを行っていますが、その結果は良かった。」と学生たちに話します。

    そしてテスト中、学生たちはあまりにも上手く問題が解けないことに失望します。

    しかし、試験前の10分間、自分の感情について書くように言われた人たちは、そうではない人と比べて良い成績を残しています。そして研究の外でもこのトリックは働き、現実の期末試験を受けた学生にも同様の結果があったことが判明しました。

    更に、2014年に行われた最近の研究では、数学に不安のある学生間の格差を狭める効果があったようです。

    心理学者のこれら研究を上手く利用することで、よりプレッシャーに強い状況を生み出して最善の状態で挑むことが可能になるでしょう。

    eyecatch by Kevin Dooley

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