• 誰もいないのに「幽霊のような気配」を感じる理由

    

    誰もいないのに「幽霊のような気配」を感じる理由

    そこに誰か居たと思ったのにに誰もいない。そのような経験をした方は多いでしょう。

    幽霊の存在を信じる理由の一つは超常現象が影響しているということが報告されています。また、誰も居ないのに「幽霊のような気配」を感じる理由は、誰かいるのに誰も居ないという矛盾を脳が理解しようとして混乱することで生じると考えられています。

    最新の研究では、そのような幻覚を引き起こすとされる脳の領域が初めて認識され、更に、その幽霊の存在を感じるという幻覚は、健康な人にも誘発すると言われています。

    この研究は、統合失調症てんかんなどの一部患者、そして登山者などが「第三の存在」を感じる理由を証明出来る重要なポイントになると考えられています。



    Ever felt a ghostly presence? Now we know why
    http://www.newscientist.com/article/dn26516-ever-felt-a-ghostly-presence-now-we-know-why.html?cmpid=ILC|NSNS|2014-10-GLOBAL-topteaserbarlinks|hometopteaser&utm_medium=ILC&utm_source=NSNS&utm_campaign=Topteaserbarlinks&utm_content=hometopteaser
    2014-11-08-1

    イギリスの探検家であるFrank Smythe氏は、1933年にエベレストの登山に挑戦していた時、彼は自分以外の誰かが一緒に登山しているという感覚を振り払うことが出来ませんでした。その時、彼は一人で登山していたため、他の誰かが一緒にいることは考えられません。

    つまり、Smythe氏はこの時幻覚を見ていたのです。また、彼は休息中に、彼にしか見えないパートナーにケーキをちぎって手渡していたとの証言もあったようです。

    この状態はfeeling of presence(FoP)と呼ばれ、幽体離脱ドッペルゲンガーとは異なり、視覚的要素で構成されています。

    2014-11-08-3
    photo by Instill Moments

    スイス連邦工科大学ローザンヌ校の神経学者、Olaf Blanke氏は「-それ-はより多くの神秘がある。」と述べ、「あなたは何かがあると確信していますが、実際にはあなたは何も聞こえていないし、何も見えていません。」と話します。

    Blanke氏のチームは、FoPの背後にある潜在的な神経機構を識別するために、幻覚症状を感じていたてんかんおよび他の感覚運動の問題を持った12人を調査しました。

    その結果、側頭頭頂接合部島皮質および頭頂葉の3つの脳領域に損傷があることが判明します。

    Blanke氏のチームは以前の調査で、ドッペルゲンガーと幽体離脱は島皮質と関連があるという研究結果を報告していました。

    通常、これらの脳領域は自己の感覚を具現化するために、外側と体内からの感覚信号を統合しています。Blanke氏のチームによると、幽体離脱および他の症状はこれらの感覚信号が損なわれることで、幻覚に繋がると結論付けています。

    最新の研究では、FoPは側頭頭頂接合部と島皮質が外部と内部の感覚を統合していないことによる混乱だけでなく、前頭頭頂皮質で処理される脳の動きに関連した信号も示しています。

    この研究結果を利用することで、Blanke氏のチームは、正常な脳のプロセスを操作してFoPを起こせるか確認するためにロボットを開発しています。

    Robot arms recreate feeling of alien presence
    https://www.youtube.com/watch?v=V5e1a699jq4


    このロボットは2つのアームが搭載されており、一つは前にマスター、もう一つがスレーブとなっています。

    実験者は目隠しをしてマスターロボットを動かすよう指令を受け、動かします。そしてスレーブロボットは実験者の背後で、マスターロボットの動き通りに動きます。

    実験者はマスターロボットを前に移動したとき、スレーブロボットは実験者の背中を叩くのですが、500ミリ秒の遅延が発生した際、FoPが発生します。実験者17人の内、5人が背後に存在感を感じると話し、錯覚を引き起こしたのです。

    彼らの腕の動きと背中にタッチする動きは同期されていないため、感覚に係る内部身体信号間が不一致となり、脳は混乱して自身の背後に誰かが立っていると感じてしまいます。

    2014-11-08-4
    photo by Sean McGrath

    Blanke博士は登山者の幻覚も信号崩壊によって発生すると推測しており、グレーと白の風景の中に極度の疲労や酸素欠乏、そして感覚遮断の条件に加え、おそらく6000メートルの標高より上で発生すると考えています。

    連続的な肉体運動によって多感覚運動に誤差が生じ、更に一定の色で動物も人間もいない状況下で脳が意識の変化の状態を誘導する傾向があるようです。

    ロボット実験では、人々が脳の作用が乱れた際に錯覚が起こることを示していますが、これは統合失調症患者の「第三の存在」に関連しています。

    カリフォルニア大学サンフランシスコ校の統合失調症の専門家、Judith Fordによると、統合失調症患者の多くは、偏執的な妄想によって幻覚が発生すると話しており、今回のロボット実験でも「思い込み」によって背後に誰かがいるという錯覚が発生していることから、「第三の存在」をこの実験で説明付けることが出来ます。

    eyecatch by Jon Feinstein

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