• ボトックス注射は「胃がんの成長を抑える」ことが可能

    

    ボトックス注射は「胃がんの成長を抑える」ことが可能

    ボトックスとは、ボツリヌストキシンというボツリヌス菌が生成する毒素を体内に注射することを言います。

    この毒素は異常なほど強力で、ヒトならば1kgに対して経口致死量が1μg(マイクログラム)というほどです。

    ただ、使い方を間違えなければ医療治療にも使えます。

    この強力な毒素は神経に作用するため、しわの防止や筋肉の痙攣を抑えることが期待できます。

    最新の研究では、このボトックスで胃ガンの成長を抑止できるという研究結果が発表されています。



    コロンビア大学が発表した研究結果によると、ボツリヌストキシンはガン腫瘍の増殖に作用する神経伝達物質のシグナルを抑える効果があったと発表しています。

    Timothy Wang氏とその同僚らのチームは、胃ガンのあるマウスにこの毒素を注入して他のマウスとガンの進行度を比較、その結果胃ガンの初期段階であればボトックスは腫瘍の成長を抑えることが可能であったようです。

    進行したガンの場合は肥大化した腫瘍を小さくすることは出来ませんが、現在のガンの更なる大型化を抑制することは可能です。

    実際に、通常の化学療法とボトックス注射を組み合わせて治療した場合、治療しなかった個体より腫瘍の大きさを半分に抑えることが可能でした。


    2014-08-24-8
    photo by columbia.edu


    胃ガンの一般的な治療は胃の迷走神経を切断することであり、神経を切断することで腫瘍の成長を抑えることが可能です。

    しかし、このボトックス治療を行えば神経を切断する必要なく効果を発揮するため、人体へ実用化が出来たのならば大きなメリットを得ることが出来ます。

    ただし、このボトックス注射は腫瘍の成長を抑制するのみなので、既存の化学療法と組み合わせることによってより効果的な治療を施せます。

    Wang氏のチームは次段階として胃ガン患者へのボトックス治療のテストを行う予定です。

    eyecatch by Dr. Braun

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